ストーキングの様々なタイプ


行動による分類 ストーキングで一般的なのは男が女を付け狙い、場合によっては暴行・傷害を加えるといういわゆる典型的ストーキングであるが、女性から男性(アイドル、スポーツ選手)へのストーキングも増加傾向にある。 主な例 ある人物が異性を付け狙い、性的欲求を晴らそうとする追跡型ストーキング 職場や学校で執拗に付きまとう、行動を監視するなどの行為であり、日本で一般に考えられているストーキングに当たる。しかし、これは通常の恋愛に至るアプローチと区別がしにくく、本人側が好意をもつ相手に対して行動しただけであると認識している一方、相手側がストーキング被害にあったと認識することも多い。そのために、ストーキング自体の犯罪性を誤解した者が増え、より深刻なストーキングが見過ごされる要因の一つにもなっている。 また客観的にはストーキング行為を行っていない人間が、相手側の思いこみでストーカーの加害者として扱われる例も増えている。 有名人を狙うストーキング アイドル、俳優、女優、役者などに一方的な恋慕の感情を抱いてのストーキング。つきまとって写真を撮影したり、被害者のごみをあさったりすることもある。 元妻・元夫、恋人へのストーキング 失恋により相手にふられた腹いせと未練からのストーキング。通常の男女関係としてストーカーと認識されないことがあるが、実情は深刻なケースがあるという指摘があり、こうした行為についてもストーキング行為として取り締まり対象になることが増えている。 怨恨などの報復を巧妙に行ったりする怨恨型ストーキング 振られた恨みを何十倍にもし、スタンガンなどで相手を麻痺させ、殺人や傷害を与える手口を使う場合がある。 幼児を狙うストーキング 異常性愛から児童に対して性的欲求を満たす為にストーキング行為や在所を突き止めたりなどして、付きまとうという物。最近は児童に対する犯罪に社会的関心が高まってきており、集団登校やひとりで外遊びさせないようにするなどの措置をとっている地域も多いが、たとえ加害者が女性であってもそれが成人であれば児童の力では逆らうことが難しい。保護者同伴でない場合、児童だけのときを狙って犯行に及ぶストーカーが多い。 営利誘拐目的のストーキング 恋愛感情がらみではなく、単純に金銭目的で誘拐を企て、対象者をストーキングする例もある。狙われるのは大抵、幼児である。誘拐決行の前段階としてなされるもので、犯行の動機としては比較的分かりやすい。 同性愛型ストーキング 付き纏う一方が同性愛者あるいは両性愛者で、付き纏われる一方も同性愛者あるいは両性愛者、または異性愛者の場合。 略奪型ストーキング 主に一方的な恋愛感情や、不倫のもつれから引き起こされるストーキング行為で、この場合、ストーカーの精神は極めて情緒不安定となっていることが多く、殺傷事件にも発展しかねない危機的状況にあるストーキングといえる。 不倫関係のもつれから引き起こされる場合、対象者は相手のみに留まらず、その家族や妻子などにまでストーキング行為を行うこともあり、嫌がらせや無言電話などで追い詰めていくケースが多い。 ネットストーカー ネット掲示板やチャットなどでインターネット内外の「揉め事」「恋愛感情」などを理由に、個人を特定してネット上で行う嫌がらせ行為。個人名・住所・メールアドレスなどを検索エンジンなどを利用して特定したり、それらをネット上で公表したりするなど、プライバシーの侵害を行い、それを積極的にサイトを作成したり掲示板に書きこむなどインターネットで広めようとすることが多い。また、ブログを荒らす、あるいは他のネットユーザを煽動するなどして閉鎖に追い込もうとすることもある。 他人のパソコンに細工をして嫌がらせをすることも、動機によってはネットストーカーに分類されることがある。 近年では不道徳な記述を日記としてブログに記載した者を「モラルに欠けている」として、そのような記述について記述者の勤務先や学校を暴き出し、匿名で連絡する者が多く(特に電話でのこの行為は電凸(電話で突撃の意)などと呼ばれている)、「うっかり書いてしまった」ことで解雇や退職させられたり退学することになることも多いうえ集団の匿名ネットストーカーには対処することが困難である。

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